食虫植物にハマってくると、必ず通るであろう道のひとつに「植え替え」というものがあります。ホームセンターで買った植物を育てていると、育ちすぎてギュウギュウに詰まっちゃったり、逆に用土が劣化して調子を崩しちゃったり・・・😂
そんなときに植え替えしてみたくなりますよね。食虫植物を栽培してしばらく経つと、「もっともっと上手に育てたい!」という欲が生まれるので、用土にも関心が出てきます✨
すると、食虫植物の用土って、結局どれが一番良いの?っていう疑問が生まれるんですよね。ちなみに条件としては
・適度な水はけ
・適度な水持ち
・適度な栄養素 (微量な栄養)
あたりが揃うと良い感じなんだと思います✨
巷では「ミズゴケが一番」って言われるのにホームセンターではピートモスだし、かたや栽培家は鹿沼土が多い気がするし、僕はピートモス中心の何か怪しい混ぜものを使っているし(笑)😂
ということで、自分の得意分野のモウセンゴケで色々試してみたいと思います!
果たしてミズゴケ最強伝説は本当なのか?
鹿沼土は夏の暑さ対策になるのか?
ピートモスは腐りやすいのか?
混合用土って何を混ぜれば良いのか?
という疑問の数々。
ハッキリさせてやろうじゃないか。
ということで企画スタート!まずは今回の用土の紹介から行ってみましょう〜⬇
メイン用土① ミズゴケ (sphagnum moss)
水はけ ☆☆☆☆★
水持ち ☆☆☆☆★
栄養素 ☆☆☆☆★
言わずと知れたメジャーな用土で、食虫植物はもちろんランの栽培でも頻繁に使われる人気者!分解されると微量の栄養素となりますが、そのバランスも良い感じ。また、生のミズゴケが再生してくることがありますが、生ミズゴケが育つ環境は食虫植物にも良いとされています。
使用の際のポイント
乾燥ミズゴケを使う場合がほとんどだと思いますが、事前にしっかりと水に浸してほぐし、吸水させておきましょう。また、ポットにはあまりギュウギュウに詰めず適度な水はけを保持したほうが良いです✨
メイン用土② 鹿沼土 (japanese volcanic soil)
水はけ ☆☆☆☆☆
水持ち ☆★★★★
栄養素 ★★★★★
栃木県鹿沼市の周辺で採掘される、火山灰由来の園芸用土。土と名前が付いていますが実際には風化した軽石のようなもので、栄養素は含まれていません。そのため菌が繁殖しにくく、園芸では挿し木などに使われます。その清潔さや通気性から食虫植物界では根っこに良い用土として認識されている、ような気がします🤔
使用の際のポイント
ふるいにかけたりシャワーで上から流したりして、粉じんをしっかりと洗い流しましょう。目詰まりの原因になりますし、せっかくの水はけの良さが台無しになってしまいます😂また、水やりを怠るとすぐに乾燥しますのでご注意を✋
メイン用土③ ピートモス (peat moss)
水はけ ★★★★★
水持ち ☆☆☆☆☆
栄養素 ☆☆☆☆★
湿地に生えるミズゴケ等が枯れて積み重なり、泥炭となったものがピートモスです。乾燥した状態で売られているので無菌・かつ清潔な用土ですが、植物や微生物による分解もスピーディー(笑)💦目が細いので水はけは悪く、その分水持ちはバツグン!ホームセンターで見かける食虫植物がピートモスで植えられていることが多いのは、この水持ちの良さを期待されてのことなんだと思います✨売り場で長く生き残れますからね。
使用の際のポイント
乾燥したピートモスは水を弾くので、事前に水とピートモスをしっかり混ぜ込み、馴染ませておくことが重要です。また、前述した通り水はけは悪く分解も早いので、ジメジメした暗い環境に置くと根腐れの原因となります。
サブ用土① パーライト (perlite)
水はけ ☆☆☆☆☆
水持ち ☆★★★★
栄養素 ★★★★★
黒曜石や真珠岩を高温で焼いた園芸資材。多孔質な構造をしているので、通気性や水はけのアップ、用土の軽量化、水持ちの最適化に使われます。
サブ用土② バーミキュライト (expanded vermiculite)
水はけ ☆☆☆☆★
水持ち ☆☆☆★★
栄養素 ★★★★★
雲母岩を加工し、多層構造かつ多孔質にした園芸資材。パーライトに比べるとより保水性が高く、保肥性もあるようです。また、硬そうに見えますが水を含むと非常に柔らかく、ふんわりとした質感になります。
サブ用土③ ココヤシチップ (coconut husk chips)
水はけ ☆☆☆☆☆
水持ち ☆☆★★★
栄養素 ☆☆★★★
その名の通りココナッツの殻を砕いたもので、ウツボカズラやサラセニア栽培では水はけ目的で使われることがあります。素材はココナッツそのものなので、アク抜きしてあるものを選びましょう。ベラボン、ヤシガラチップという名称で流通していることがあります。ちなみに自分は鉢底石の代わりに敷いているんですが、用土ごとそのまま畑に捨てられるから便利ですよ〜(笑)😂😂😂
さて、ここまでが一般的な用土の紹介ですが、混合用土の例も行ってみましょう!👍✨
混合用土の例① 鹿沼土+ピートモス
もっともメジャーであろうミックス用土の一例です。鹿沼土の水はけにピートモスの栄養素をプラスし、お互いのデメリットを打ち消しあった配合になります。割合は2:1で鹿沼土を多めにすることが多いような?🤔
混合用土の例② ミズゴケ+パーライト
バランスの良い用土であるミズゴケですが、パーライトをプラスすることにより通気性を確保して根張りを良くすることができます。根っこが命のセファロタスやヘリアンフォラに使用する栽培家さんが多い一方、ポット自体がかなり軽くなるので水切れにはより一層注意が必要になってきます。
混合用土の例③ ピートモス+バーミキュライト+パーライト
この配合は自分がもっとも頻繁に使用する混合用土だったりします(笑)😂ピートモスの弱点である水はけの悪さ・腐り易さを克服し、かつ根っこに優しく、何より用土を格安で大量に手に入れたいという思いから考案しました(笑)だって、ユーロピートとか30kgくらいで売ってるし😂😂😂ミズゴケは高いのよね〜💦配合はピート:パーライト:バーミキュライト=2:1:1くらいでピートモス多めの適当です。
さて、今回紹介したこれらが自分の使っている用土なのですが、今回は次のラインナップを用意して栽培の実験をしてみたいと思います。
- ミズゴケ単用
- 鹿沼土単用
- ピートモス単用
- 鹿沼土+ピートモス
- ミズゴケ+パーライト
- ピートモス+バーミキュライト+パーライト
そして、実験に用いる食虫植物はコレにしました⬇
ドロセラディールジアナ
Drosera dielsiana
アフリカ系モウセンゴケで、割と丈夫ですがカペンシスやビナタほど生育旺盛ではなく、たまーに調子を崩すときは崩す素直な子です。とはいえかなり丈夫な部類に入るので実験対象としては適切かな、と思います✨根っこも長く伸びるしね👍✨
この品種を、できるだけ個体差をなくして比べてみたいので、実生した株の塊(10株程度)をそれぞれ植えていきます🌱これで、個体差のバラ付きは少し分散されるかな?
そして、あえて猛暑日が続くであろう真夏に実験します。ずっと良い環境にいたら全部育っちゃうからね😂
さ!ここまで用意できたらあとはひたすら育てるだけ!結果が出るまで2ヶ月くらいかかると思うけど、気長にお付き合いくださいませ😂
では✋